オリエンテーリングのススメ


 なるべく国道を避け路地裏をゆく。東京を出発し下関に至るまで、私たちはこの点にこだわり、数々の「いい道」を発見した。
 自転車旅にとっての「いい道」とは、まずなんといっても車のいないこと。安全で騒音もないので、のんびり話をしながら走ることができる。
 それからどこまでも続く道。まっすぐなのも悪くないが、緩やかなカーブを繰り返しながらどこまでも続く道は最高だ。
 それからねこのいる道。さすがねこ。ねこのいる道は間違いなくいい道だ。港町や生活感のある道にねこは多い。そういえば一度だけねこに恐怖したこともあったな。
 海沿いや川沿いにはいい道が多く、各地に残る古い町並みはたいてい居心地がいい。

 そうした「いい道」になるべく多く出会うためにはどうすればいいか。土地勘のない旅人にとって最大の武器は地図だ。地図と勘をたよりに独断で道を選び、そしてあらかじめ予習しておく。具体的にはルートラボというインターネットのサイトを利用し、google mapのように拡大縮小のできる地図の上に線を引く。そしてその線を、私たちが「読む地図」と呼ぶ文字情報に変換して紙に書き、それを見ながら走るのである。T右、ト、Y左、二つ目ト、十右、三つ目┫(逆ト)、喫茶ひまわりト、鳴門工業先かど左、などなど。
 この読む地図を読み解きながら細い路地裏を進むのがかなり楽しい。これが私たちがオリエンテーリングと名付けた方法だ。この方法だと一日数十キロの行程も一枚の紙に書き記すことができ、瞬時に読み解くことができるので大変便利。しかしときに地図と実際がだいぶ違っていたり、右と左を写し間違えていたりしてつじつまが合わなくなると大変。住所や現在地が記されていないため完全に迷うことになる。でもそんなときは携帯があれば安心だ。携帯の地図はgoogle mapやルートラボの地図よりさらに詳しいことが多いし、GPS機能を使えば現在地を指し示してくれるので、たいていの場合再び読む地図に復帰することができる。このオリエンテーリングという方法により、初めての土地にもかかわらず、地元の人しか通らない道から地元の人でもめったに通らない道まで、自転車という機動力を存分に発揮して旅を満喫してきた。

 もし時間のある人はぜひこのサイトのRouteの中の各県のページをのぞいてみてほしい。その地図をズームしてもらうと、国道を避けて路地裏をゆく旅の軌跡をみてもらうことができると思う。こんな道わざわざ通ったの? という道が満載のはずだ。
 そしてこのオリエンテーリング、路地裏天国の東京はもちろん、どこでもできる簡単で楽しい遊びなので次の日曜日にぜひどうぞ!